主婦や会社員がぞくぞくお買い上げ★大阪府貝塚市の西阪農園さんに人気のヒミツを聞きました

ファームビズスタッフ杉谷です。大阪府のローカルな街、貝塚市。人口9万人弱の府内ではそう大きくはない町の駅前に、夜な夜な人が集まってくるスポットがあるという…。火曜日の夜20時から開く産直市場「ベジナイト」。今回、ベジナイトを主催する若手農家の一人、大阪府貝塚市の西阪農園を訪れ、農園主の西阪和正さんにベジナイトの人気のヒミツについてお伺いしてきました。

産直市場「ベジナイト」

初日は西阪農園の菊菜が5束売れて終了だったという笑い話も。今となってはご覧の通り、毎回大盛況。

コミュニティFMがきっかけで始まった産直市場

ベジナイトが始まったのは、今から8年ほど前のこと。発端は、貝塚市内にあったコミュニティ放送FM826の番組。地元・泉州産の野菜を紹介するコーナー「AGRIUP!」で、毎回、季節のイチオシ野菜についてウンチクを語っていたところ、リスナーから「おいしそう」「食べたいけれど、どこに行けば手に入るのか」などの質問が続々と寄せられるように。DJを務めていたのは、貝塚市で水なすを栽培する北野農園の北野忠清さん。
「『じゃあ放送中は、放送局前に野菜を並べとくんで、みんな買いに来てや』という感じでなにげなく始まりました」。参加するのは泉州地域の若手農家さん。
「放送中に売るというスタイルだったので夜の営業になりましたが、農家は明るいうちは仕事やし、夜なら負担にならない。火曜は市場も休みなので都合がいいんですよ。残念ながらFM局はすでに閉局しましたが、今も駅前商店街の店舗を借りて続けています」。

西阪農園オーナー 西阪和正さん

西阪農園オーナー 西阪和正さん

新鮮な野菜を求めてやってくるお客さん値札もなし、値切られたこともなし

南海本線貝塚駅は、お世辞にも活気あふれるという感じではなく、一日中シャッターが閉まったままの店舗がチラホラ。(これで夜に市場?集客できる?店が続く?)。屈託のない笑顔の西阪さんを前に、インタビューする私の頭の中はハテナマークがともるばかり。
「お客さんで一番多いのは近所の主婦。子ども連れで買いに来る方も。プロの料理人もお得意さんですよ。あとは会社帰りの人かなぁ。サラリーマンもいますよ。とにかくリピーターが多いんです」。
一番のポイントは新鮮さ。夕方に収穫した“夕どれ野菜”が店に並びます。野菜はとれたてが一番。さっきまで畑にいた野菜たちだから、おいしいのは間違いなし。産直だから市価より安く手に入るのも魅力といえるけれど値札すらなし。しかも安さを売ってるわけではないらしい。
「コンテナにバサッと入れて持っていくだけ。値切られたこともないですね」とニコニコ顔の西阪さん。私は、まだまだ疑り深く追求してみたくなるばかり。

西阪農園・畑

「スタッフとは上司、部下じゃなくて共に前進する仲間でいたい」と西阪さん

6年間休みなし!雨でも雪でもベジナイトはOPEN
ぼくらが楽しいから店は続く

実は、雨でも雪でも台風でも休んだことは一度もないのだそう。“火曜の夜はベジナイト”の言葉通り、毎週必ず火曜の夜に店を開けている。「寒い雪の日に買いにきてくれたら、ほんまに感謝の気持ちでいっぱになる。お客さんからも、『まさか今日はしてへんやろと思いつつ来てしもた(笑)』と言われることもあります」。絶対に休まないとなると、参加農家さんが負担に思うのではとの質問に、「可能な人が行けばいいというスタンス。ゆるいからかえって続くのかな。しかし続いている一番の理由は、ぼくらが楽しいから」。

西阪さんいわく、天塩にかけた野菜たちの発表の場がほしいから行くのだと話します。「ぼくらは一日中、一人で黙々と仕事をしていて、ひたすらおいしい野菜づくりに没頭してるでしょ。出荷したら仕事は終わりですが、消費者の声をダイレクトに聞いてみたい。また市場に出す野菜以外にも、実験的にトライした農作物や、種や土、肥料にとことんこだわった野菜を作ったら、ぜひともその評価をききたい─」。
お客さんにはどのように育てたか、きちんと説明できるのも大きなメリット。トウモロコシでも品種や手間のかけ方で、味や品質が違うことを話せば高価な方が先に完売することもあるのだそう。
「ライバル農家に褒められたり、ダメだしされたりすることも(笑)。モチベーションも上がります。まぁ、自分の野菜を自慢したいだけやね」と茶目っ気たっぷりに笑う西阪さん。

採れたての水菜とキュウリ

採れたての野菜はこんなにもシャキッ!

お客さんと思ったことはない。買いに来てくれる人、みんなが友達になっていく

お客さんはリピーターと口コミが中心。農家のお仕事や作物の説明をしているうちに、日常のよもやま話で盛り上がることも多いのだそう。おしゃべりが目的でやってくる人や、会社帰りにわざわざ遠回りして会いに来るお客さんもいます。
「ぼくらは“お客さん”って、あんまり思ってないです。親しい知人に、今日も野菜を届けにきたという雰囲気。お客さん同士が友達になることもある。産直市場「ベジナイト」が縁で定期的なイベントも開催するようになりました。。そうそうぼくが妻にサプライズプロポーズするとき、ベジナイトの常連さんが協力してくれました(下の写真)。妻だけが何も知らなくて、みんなおレストランのお客さんのふりをしてサクラで参加。妻からYESの返事をもらった時は、全員で盛り上がりました」。

ベジナイトを愛する仲間たち

西阪さんのサプライズプロポーズに集まったベジナイトの常連さんと仲間たち

2店舗目を出すとか、お昼に営業することは考えないのですか?と質問すると、これで儲けようと思っていないと西阪さん。参加する農家メンバー内では、「拡大しない成長」といっているのだそう。地元の野菜を知らなかった人たちに、おいしい野菜がたくさんあることを伝えてファンを作りたい。「一生懸命やってたら結果はあとからついてくるんちゃうかな」。
泉州野菜の向上と、ファンを作る情報交換の場。店は拡大しないけれど、野菜でつながる人の輪はますます拡大中のようです。“火曜日の夜はベジナイト”。ぜひ訪れてみてくださいね。

夜の産直市場「ベジナイト」

毎週火曜日 20時~
大阪府貝塚市中864(南海本線「貝塚」駅から徒歩4分)
詳細・問い合わせ/090-7497-8470 (西阪農園)

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