棚田塾で農業人になる決心がついた
車で30分の2拠点居住なら家族の負担もナシ

大阪府下で唯一の村・千早赤阪村では棚田塾が大好評。「棚田100選」に選ばれるほど美しいことで有名ですが、昨今の少子高齢化により担い手不足ぎみに。そこで村では2013年から美しい棚田の風景を守ろうと、米作り講座「大人の棚田塾」をスタート。初年度から塾生として農業を学ぶ上地正幸さんにお話をお聞きました。

千早赤阪村棚田塾

中央で耕運機を使っているのが上地正幸さん

 

 棚田塾に参加してみたいと思った理由はなんですか

前から農業に興味があったのですが、きっかけがなくて。最初は米作りでなく畑作りがしたいと思っていたのですが、新聞に「大人の棚田塾」の塾生募集が掲載されていたので、即、申込みました。初年度の応募は、定員10人のところに80人も応募があり、結局、抽選だったそうなので、ぼくは運が良かったですね。

棚田塾は年間20日開講。3年で技術を習得するカリキュラムになっています。現在、塾生は30代~70代。仕事をしているのでこのぐらいのペースでちょうど良かったです。平日に開講する日は有休を使って参加しています。塾を休んだのは結局、数日かな。ぼくは堺市に住んでいるのですが、車で30分~40分程度なので通うのも楽でしたね。

無理のないペースで通えたのですね
体験してみていかがでしたか?

今年で2年目なのですが、1年目は農家さんが話す農業用語がわからず(苦笑)。毎日、農業研修を受けているわけではないので、2年目になってやっと理解が深まってきた感じです。来年もう1年、頑張ります。地域の方ともすっかり顔なじみになり、イベントや飲み会などのお誘いも増えてきて、村を訪れるのがますます楽しみになってきました。

現在教えてくださっている方は、御年80歳の方もおられます。農業をしている方は本当に体が丈夫ですね。農機具の使い方なども習っていますが、農家の方から「若い人が来てくれてありがたい」と感謝されることが多く、恐縮することもしばしば。みなさん親切で学びやすい環境です。

将来は田舎への移住や農業に関わる暮らしをしたいですか?

そうですね。実はすでに千早赤阪村の知人の畑を手伝っています。だから週末はいつも村で農作業!今後は堺市と千早赤阪村の2拠点居住を考えています。妻は正社員として働いていますし、子どもも高校生になり、自分の生活のベースを作っていきたい年齢です。ですから、できれば近い将来、僕だけが週5日を千早赤阪村で暮らし、週末に堺市に帰るのがベストかなと思っています。一家で移住するわけではないので家族も応援してくれています。

それは良いアイディアですね。
就農する側の立場で、地域おこしや農業活性化について、ご意見があればぜひ

もっと地域からの発信があってもいいのではと思いますね。農業に興味のある人は増えていると思いますが、きっかけが見つからない人も多いと思います。実際に僕も新聞記事を見ていたなかったら、「大人の棚田塾」との出会いはありませんでした。情報発信がポイントのような気がします。本格的な農業人にならずとも、援農者を希望している地域もたくさんあると思います。農業をやってみたい人と、人手がほしい地域ともっとスムーズにつながる仕組みがあるといいですね。

 

【取材後記】
昨今、都会と田舎の「2拠点居住」に憧れるビジネスパーソンは増えているのだとか。それも老後のセカンドライフとしての「田舎暮らし」ではなく、現役で働く30代、40代のビジネスパーソンの中に、この「行ったり来たり」の2拠点居住をする人たちが増殖中。

上地さんの場合、大阪府内の2拠点という超近場なこともポイント高いですよね。これぐらい近くて引越しを伴わないなら、家族も大いに応援してくれそう。いろんな農業へのリーチがあってもいいと思う今日この頃。上地さん、夢にむかって頑張ってくださいね。