gathered by株式会社イージェイ

株式会社イージェイが手がけるコールドプレスジュース。軽くて、処理しやすいパッケージが好評

2010年に「6次産業化・地産地消法」が成立して以来、国の支援もあり、若い農家さんを中心にたくさんの方が、生産だけでなく加工~販売まで手がける6次産業化に挑戦しています。

「イージェイ ジュース アンド スープ」代表の岩崎亘さんにインタビュー。

EJiwasaki氏

岩崎 亘(いわさきわたる)/1983年生まれ。株式会社イージェイ代表取締役。大学在学中に学生主体のバーを開店。卒業後、株式会社リクルートホールディングスを経て、日本有数の農業法人である株式会社和郷に入社。6次産業化について、実際に事業化を手がけながら学ぶ。2015年4月、独立して株式会社イージェイ設立。現在、コールドプレスジュース専門店の経営に専念し、東京で3店舗展開。実家は静岡県のみかん農家。

コールドプレスジュースを事業化するうえでのポイント、同社の強みやなど、これから6次産業化する人へのアドバイスがてんこ盛りです。

農家の息子が考えた「規格外の農産物」を活かすには─

─さっそくですが、コールドプレスジュースを事業化したきっかけはなんでしょう?

実は、私は話題のジュースで事業化したかったわけではないんですよ。

実家が静岡のみかん農家で、幼いころから家族が農園で働く姿を見て育ちました。
その中で、いつも課題にあがるのが、規格外の農産物なんです。

通常、規格外の農産物は、安値で買い叩かれるのが一般的。
手間賃を考えると廃棄することもあります。

またうまく出荷ルートをみつけても、「激安」が喜ばれる今の時代、適正価格で売られることはなく、特価品として店に並びます。

「それじゃ、おもしろくない!」

見た目は多少悪くても、味は同じです。
農家が手塩にかけて育てた農産物を適正な価格で出荷したい。
ならば付加価値をつけて商売ができないかと考えました。

─なるほど、ではコールドプレスジュースに着目したのはなぜでしょう。

単なるおいしさだけでなく、これからの時代は、健康、美容という切り口がマッチすると思いました。

みかん農家の息子がジュースをつくっても、“ただのみかんジュース”になってしまいます(笑)。

そんなときにコールドプレスジュースに出合いました。

コールドプレスジュースなら、野菜、果物の組み合わせ次第で、デトックス効果のあるジュース、疲労回復に良いジュースと、消費者の目的に合わせた商品を提供することができるので、さらに付加価値は上がります。

ワケあり(背景有)by株式会社イージェイ

規格外の農産物が、廃棄される時代。傷や形が整っていなくても、味は変わらない

─“ただのジュース”ではなく、コールドプレスジュースなら消費者ひとりひとりのニーズに応じた健康ジュースが作れますね。

コールドプレスジュースのスゴイところは、食材に熱を加えないので、栄養素が壊れないこと。

その食材の栄養をまるごと摂取できるうえ、繊維質は取り除かれているので、胃腸への負担もなく、吸収率が良いということです。
そのうえ、液体なので手軽に簡単に摂取できます。

1杯のジュースが500mlだとしたら、野菜は1~1.5kg使っています。
生野菜でそれだけの量を食べるのは大変です。主な購買者層は、健康について意識の高い30~40代の女性ですね。

─私も飲んでみました。飲みやすくて、これで栄養が最大限摂取できるなら、病院食や介護食にもいいのではと思いました

おっしゃるとおりです。美容目的として広まったコールドプレスジュースですが、租借(そしゃく)できないシニアの方、病気で流動食しか食べられない方、そのほか好き嫌いの多いお子様にもぴったりですよ。

今後は病院や福祉施設などにも、コールドプレスジュースの良さを広めていきたいですね。

「イージェイ 」がつくるコールドプレスジュースの強みとは─

─貴社の強みを教えてください

当社では、管理栄養士、野菜ソムリエの有資格者がいて、より飲みやすくなるよう工夫しています。

小松菜、パセリ、セロリなどのグリーン系を使ったものが売れ筋ですが、味にクセのある野菜も、改良を重ね、吟味したものを提供しているので、おいしく作られています。
せっかく体に良いものでも、おいしくないと続かないものです。

新メニューは、1シーズンごとに変更。
定番メニューでも、食材や分量を少し変えたり、売れ行きが鈍い商品は見直しを図っています。
常に試行錯誤の毎日ですよ。

─こまめにメニューを変更しているんですね。選ぶ楽しみが広がります。

そういってもらえるのはうれしいですね。しかし、そうせざるを得ないという面も大きいんです。

なぜかというと、そもそも季節によって、野菜の味は変わります。また天候や生産者によっても大きく変わります。

当社では、工場での大量生産はしていないので、その季節、その野菜で、一番ベストな味にブレンドできるよう、こまめに調整し品質が一定になるように努めています。

─岩崎さんが農業に携わっていたことが、そのまま大きな強みになっていますね。

そうですね。そもそも農業の仕事をしていたからこそ、たくさんの農家さんとのつながりができ、仕入れルートができたといえます。

私は、自分も生産に携わっていましたが、勤務していた農業法人を通じて、いろんな品目の生産者さんとつながりができました。
だから野菜について、それぞれの旬や栄養価が高い時期がわかるというのも強みかもしれません。

株式会社イージェイのスタッフ陣

コールドプレスジュース事業の最大のネックとは─

─実際に事業化する時に考えておくべきことなど、アドバイスをお願いします。

そうですね。これを言ってしまうと、夢を壊してしまうかもしれませんが、「ジュース屋はそう儲からない」ということ。

特にコールドプレスジュースは、前述でもお話したように多くの食材が必要なので、1杯1,000円前後で販売せざるを得ない。
飲み物としては高価なので、ターゲット層が狭い。
そのため、さらに工夫が必要になります。

1つは、出店場所
コールドプレスジュースは、美容、健康意識が高い人が集まる地域で出店する必要があります。
多くのコールドプレスジュース専門店は、代官山など女性をターゲットに、おしゃれな場所に出店することが多いのですが、当社は、麹町、日本橋、予約販売のみで渋谷と、ビジネス街を中心に出店しました。

男女問わず忙しい毎日を送る会社員の方の、健康的な食生活をサポートできたらと考えました。

常連のビジネスマンの中には、日頃の不健康な生活を補うために、免罪符代わりに飲んでいる方もいますよ。
本当は規則正しい生活を送りつつ、飲むことが一番イイんですけど(苦笑)。

だからありがたいことに、通常のジュースと違い、寒い季節だから、売り上げが伸びないということもないんです。

2つめは、商材管理。
食材や商品を適切に管理しなければ、余分にジュースをつくってしまったり、破棄せざるを得ない商品が出て、食品ロスを出すことになります。

3つめは、新たな商品開発
私たちは、安定した収益をあげるため、コールドプレスと同じ食材でできる新たな商品開発にも力を入れています。
時代はどんどん進むので、消費者のニーズをつかむマーケティング力も必要です。

特にコールドプレスジュースは、「加熱しない」ことが最大の持ち味なので、加熱殺菌できません。
いまの日本の法律では、加熱殺菌処理をしていない商品は、輸送することが禁止されているので、作ったその場で販売するしかありません。

「イージェイ ジュース アンド スープ 」店頭

─えっ!ではコールドプレスジュースは、通販はもちろん百貨店や食品店に卸すこともできない?

ニューヨークであれほどブームになったのは、海外では加熱殺菌以外の殺菌方法が認められているので、卸売りができるんです。
スーパーマーケットや通販で手軽に購入できます。

しかし日本では店舗業態のみでの販売しかできない。
だから通販や卸売りが可能な商品開発にも力を入れています。

─海外であれほどコールドプレスジュースはブームなのに、日本では話題性ばかりで、一般に広まらない理由がわかりました

私たちも、ただ手をこまねいているだけでなく、加熱殺菌以外の方法を認可してもらえるよう、国にはたらきかけています。

それだけでなく、2018年早々には、新商品「OOZY WATER(オウジーウォーター)」も登場させます。
これはドライフルーツや乾燥させた野菜、ハーブ、お花を水にいれて飲む新しいタイプのドリンクです。

1袋ごとに「マローブルー ×キウイ」「トマト×みかん」「セロリ×レモン×生姜」などをブレンド。
6タイプあるので、そのときの気分に合わせてお使いいただけます。
いまトライアル期間中です。

OOZY WATER(オウジーウォーター)

2018年早々に販売予定の新商品「OOZY WATER(オウジーウォーター)」

新商品「OOZY WATER(オウジーウォーター)」は、現在、6タイプを準備中。袋を開けて水に入れるだけで、色も香りも豊かなドリンクに。フルーツ&野菜の成分が、じんわり水に染み出して、身体にも良いんですよ。

─新商品「OOZY WATER」が今から楽しみです。最後にコールドプレスジュースを知らない方たちにメッセージを

私たちは「食と農」の力で、手軽に健康的な生活を提供したいという思いで、会社を立ち上げました。
飲んだことがない方は、ぜひ一度飲んでみてください。

コンビニの野菜ジュースと比べると、価格は高いですが身体に感じるものがあるはずです。
事業化を考えるなら、先ほどの3つのポイントをぜひ参考にしてみてください。

編集後記

ファームビズ編集部は、大阪にあるのですが、編集部では、コールドプレスジュースを誰一人飲んだことがなく…。

「やっぱり大阪は東京に比べて遅れているなぁ」と思っていたら、今回の話で、日本が世界に比べて遅れていることが分かりました。

株式会社イージェイでは、商品開発以外にも、トレーニングジムとコラボして商品を提供したり、話題のラーメン店に営業ライセンスを提供し、ラーメン×コールドプレスジュースのコラボメニューを出すなど、ユニークな取り組みも行っています。

店舗の常連の方からは「飲み続けている間に、身体が軽くなった」「健康的に体重管理できる」との声も。

日々、安定した品質の保持と、アイディア勝負で新商品開発に余念がない岩崎さん。2018年に発売される新商品に期待大です!

■ 取材協力
株式会社イージェイ http://e–j.jp/

【店舗情報】
◎「イージェイ ジュース アンド スープ 麹町本店」
東京都千代田区麹町3-5-5サンデンビル1F
◎「イージェイ ジュース アンド コーヒー 日本橋店」
東京都中央区日本橋本町3-3-3 Clipニホンバシビル
◎「イージェイ ジュース アンド スープ 渋谷店」(予約のみ)
東京都渋谷区渋谷2-10-2 Aphroditeビル1F

ej01

「イージェイ ジュース アンド スープ」店頭

関連記事