高知県れいほく地域に、関西から移住してきた川村さんご夫婦。ご主人が生まれ育った築100年以上の古民家をリフォームして、2006年に菓子工房&カフェを開きました。店の名前は「ぽっちり堂」。「ぽっちり」とは、土佐弁の「ぼっちり=ちょうどいい」から名付けたのだとか。
店主の川村圭子さんは、もともと陶芸やイラストレーターとして活躍するアーティスト。移住をきっかけに新しい生活を始めた川村さんに移住についてアドバイスを聞いてきました。

ぽっちり堂 1

毎日を家族と共に、ていねいに生きていきたいと考えて高知県土佐町を選ぶ

─ 高知県土佐町を選んだ理由をお聞かせください

川村: もともと、ここは夫の実家です。私は大阪出身ですが、夫婦ともに大学は京都だったことから、卒業してから新婚当初まで、京都で暮らしていました。移住のきっかけは、子どもを授かったと分かってから。もともと夫婦そろって、田舎暮らしをしたいという気持ちがあったので、二人して自然と「そろそろ田舎で腰をすえて暮らしてみよう」と考え、各地をまわりました。

─ はじめから旦那さんの実家にUターンする予定ではなかったんですね

川村: はい、近いところでは京都府の山間部にあたる綾部市や兵庫県の丹波など。長野県も見に行きました。終の住居となる土地探しですから、時間を見つけてはとにかく色々見てまわりましたね。

─ 移住先探しのポイントはなんでしょう

川村: 私の場合は、最低限の施設が整っているかどうか。子どもが病気をした時に近くにみてもらえる病院があるか、学校などの教育施設が町内にあるか、自分のフットワークで通える買い物スポットがあるかなど。いくら自然が好きでも、秘境といわれる場所では私は落ち着けないかも。毎日の暮らしで困ることは女性の方が多いと思います。夫婦で移住するなら、パートナーととことん話し合いをすることが大切ですね。

─ 最終的に移住する決め手は何だったのですか

川村: 結局、いくつもまわったけど、ここにかなわなかった(笑)。もちろん義理の両親がいる安心感もあります。ただ陽当りのいい高台に建つ、築100年の古民家の風情。家の脇を流れる沢の水の心地よい音。ここにいると、「しっくりくる」っていう感覚だったんです。また、こっちにきて、おいしい無農薬、減農薬のフルーツや野菜が身近に豊富にあることを知りました。毎日を家族と共に、ていねいに生きていきたいと考えていた私たちは、それを生かしてクッキーやパウンドケーキなどの焼き菓子を販売してみようと思い立ちました。

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