有名モデルがこぞって愛飲していることで注目を集めている『コールドプレスジュース』。東京では、店も瞬く間に増え、健康ドリンクとして定着してきました。
が、地方ではまだまだ浸透していないようです。
そこで、今回、コールドプレスジュースについて取材。テーマを変えて、2回にわたって紹介します。
第1回は、その特徴や期待される効能をご紹介します。
まずは基本から!『コールドプレスジュース』って、なあに?
◎『コールドプレスジュース』とは──
熱を加えずに、野菜や果物に圧をかけてしぼるジュースのことです。
低速低温圧縮で、野菜や果物などをゆっくりとしぼります。
加熱しないので、食材が持つ栄養素を壊さずに体に取り入れることができます。
デトックス、免疫力向上など、それぞれの美容や健康目的に応じた野菜を使うことで、その人に合ったジュースをつくることができます。
<特徴>
- 低速低温の圧縮なので、熱の発生が少なく、消化吸収に欠かせない酵素などの栄養素が壊れにくい。
- 繊維質を除いたサラリとした液体なので、胃腸への負担がなく、栄養素の吸収率が高い。
- 密封して酸化を防げば日持ちする。冷凍可能。
- 食材のエキスのみを使用するので材料を多く必要とし、価格は高め(平均価格1.000円~)
野菜ジュースには、ほかにも「スムージー」や、市販の野菜ジュースもあります。
以下、コールドプレスジュースと、ほかのジュースの違いについてまとめました。
◎『スムージー』
高速回転式や遠心分離式のミキサーやブレンダーで、切り刻みながら攪拌してできたジュース。
<特徴>
- 食材を丸ごとジュースにするので、食物繊維が豊富。トロトロとした食感。
- 高速回転式は熱が発生するので、栄養素が壊れやすい。
- 酸化、分離が早く、作り置きはできない。できたてを飲むのが一般的。
◎市販の野菜ジュース
スーパーマーケットやコンビニエンスストアなど、どこでも手に入りやすく、手軽に飲める。価格が安い。
<特徴>
- 加熱殺菌されているので、酵素をはじめ栄養素が壊れていることが多い。
- 食品添加物や香料などを加えられていることも多い。
発祥はニューヨーク!ジュースクレンズが、手軽なファスティング(断食)として人気に
コールドプレスジュースは、もともとアメリカ・ニューヨークが発祥。
2010年頃から手軽な断食(=ファスティング)の方法の1つとして、ジュースクレンズがセレブの間で広まり、その後、爆発的なブームとなりました。
文字通り、ジュースクレンズの“クレンズ”は、洗浄という意味です。
コールドプレスジュースを使えば、熱に弱い酵素をたくさん取り入れながら、体の内から浄化。無理なく健康的に断食ができるというわけです。
専用のジューサーがあれば、自宅でも作れるコールドプレスジュース!ジュースクレンズで、プチ断食するなら注意が必要
コールドプレスジュースをつくるには、専用の低速回転式ジューサーが必要になります。
最近は各社から、さまざまなタイプのジューサーが販売され、価格は2万円前後からあります。
同じ分量の食材でも、ジューサーによって得られるジュースの量に差があったり、お手入れのしやすさなども変わります。
★ 自宅でつくるなら、ここに注意を
日々の栄養補給に、自宅で手軽にコールドプレスジュースを作るのは良いのですが、家庭でジュースクレンズによる断食(=ファスティング)やデトックスをするのは、かなり注意が必要だそう。
■ そのワケは??
(1)バランスの良い栄養素を配合したジュースを作ることがむずかしい
コールドプレスジュース専門店では、ジュースクレンズを行う場合、朝~夕まで体のリズムに合わせたジュースを推奨しています。
自己流で栄養バランスの良い、飲みやすいジュースを配合するのはむずかしいもの。
専門店では、野菜ソムリエや栄養士が、食材のブレンドを吟味して、栄養価も高く、おいしいジュースに仕上げています。
また専門家のアドバイスも受けることができるので安心。健康的に断食(=ファスティング)やデトックスができるようです。
(2)食材費用がかかる
スムージーと違い、食材を圧搾し液体だけを抽出するコールドプレスジュースは、大量の食材が必要となるため費用がかかります。
通常ジュース一杯(400~500ml)で、1~1.5kgの食材を使用。
ジュースクレンズによる断食(=ファスティング)やデトックスを行う場合は、特に栄養バランスに配慮しなければならないため、多彩な野菜、果物、場合によっては高たんぱくのチアシードやココナッツオイルなど、スーパーフードと呼ばれるものも必要となり、食材費用がかかります。
(3)農薬を落とす必要がある
食材には農薬を使用しているものが多数あります。
コールドプレスジュースは、皮などもそのままジューサーにかけるので、無農薬や有機栽培で育った食材を使うのがベストです。
それが無理な場合は、農薬を落とす必要があります。
農薬の落とし方は、重曹などを使う方法が一般的です。
ネットなどで多数紹介されているので、参考にしてみてくださいね。
編集後記
今回、「コールドプレスジュース」入門編として、取材し調べてみました。
食材そのままの栄養を体の負担なしに取り込めるコールドプレスジュース。
私も実際に飲んでみました。「この一杯(450ml)で1kg程度の野菜とフルーツを使ってるんですよ。その栄養素がそのまま液体になってます」と専門店のスタッフ。
たった一杯ではあったのですが、ゴクゴクと飲めるうえに、腹持ちが良く、いつまでたってもお腹が減らないことにも驚きました。
飲み物というより、食べ物と思ってもらったほうが良いとのこと。
血行が良くなるので、急に活性化された身体がついていかず、眠くなったり、だるくなる方もいるようです。
人によって、効果はさまざまなので、一概にはいえませんが。
加熱殺菌できない商品なので、現在の法律では通販や卸売りなどの流通ができず、専門店でのみ販売となっています。
お近くに専門店があれば、ぜひお試しあれ。
次回のテーマは、「コールドプレスジュースの六次化について」。
コールドプレスジュース専門店「イージェイ ジュース アンド スープ 」代表の岩崎さんにお話をお聞きします。
農業法人でご活躍されながら、いち早くコールドプレスジュースに着目し、独立。東京で店舗展開を実現した岩崎さんに、生産者・事業主の立場でお話いただきます。