農業に携わりたいと考えられている方にとって、独立か農業法人への就職かは悩みどころ。小さい規模でもいいからできるだけ早く独立したい、いやいやしっかりした技術を習得してからでも遅くない、安定した農業法人でずっと農業に携わりたい。など、想いはさまざまです。

そこで今回は農業法人へ就職を考えるみなさんに知っておいてほしいポイントをご紹介します。

1 農業法人とは、農業を事業とする会社

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農業法人(のうぎょうほうじん)とは、農業を営む法人に対して任意で使用される呼称である。(農)と略記されることもある。
任意で使用される呼称であるため、学校法人(私立学校法)や宗教法人(宗教法人法)、医療法人(医療法)のように法的に定められた名称ではない。 法的に定められた農業経営に関連する固有の法人の組織形態としては、1962年改正後の農業協同組合法を根拠法とする、非営利の農事組合法人がある。

Wikipedia ~農業法人~

簡単にいってしまえば、農業を事業として行っている法人。一般的な会社と基本的には同じなので、そこでお仕事をしようと思っている方にとっては以下のようなメリットがあります。

  • 出来高ではなく、給与が支給されるため、一定の収入見込みがたてられる
    農業法人は一般的な企業と同じなので、給与制がとられています。出来高制ではありませんので、年間をとおして一定の収入見込みがたてられます。
  • 就業規則が整備されているため、労働条件を事前に確認できる
    農業法人は従業員に対して就業規則を整備する必要があります。このため、事前に就業時間や休日などを事前に確認でき、ご自身の条件と照らし合わせることができます。もちろん農業を事業として行っていますので、繁忙期や閑散期、作物によっては一般企業と同じ勤務時間や休日で無い場合もあります。

特にご家族で就農を考えられている方や、お子さんがおられる方。単身でもこれから長く農業に携わりたい方には、安定した環境のある農業法人はピッタリではないでしょうか。

農業法人は農業経験よりも、人物そのものを見ている

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農業法人は就職、転職希望者にどのようなことを求めているのでしょうか。全国農業会議所の調べ(※2012年農業法人等における雇用の実態に関するアンケート調査

http://www.nca.or.jp/Be-farmer/roumu/research.php)によると、

  • 農業に対する熱意 85.9%
  • 人柄 73.0%
  • 応募動機 46.3%

となっており、農業での経験や年齢(若さ)は実は重要度が低いということがわかっています。また雇用したあとのサポートとして行っていることとして、先輩職員によるフォロー(35.8%)、福利厚生の拡充(32.8%)、実労働時間の削減(16.6%)と様々な取り組みを行っており、受け入れ体制のみならず、雇用後もきっちり育成する動きをとっているのが農業法人というわけです。

ファームビズでお付き合いをしている、株式会社れいほく未来さんは、

設立の柱に“人材育成”を掲げ、会社に、3~5年間、貢献してくれた社員が独立する場合は、全面的にバックアップする体制も整えているそう。

ファームビズマガジン ~受け入れ企業からの声 株式会社れいほく未来~

このように人材の育成にチカラをいれており、就職後の独立も十分に考慮した取り組みをされています。熱意、というと熱く語らないといけないのでは、と思いがちですが、裏を返せば、農業は簡単なものじゃないからこそ、農業スキルや経験でなく、考えをもった人に来て欲しい、というのが本音ではないでしょうか。

3 実際に農業法人で働く人は、しっかり考えている

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では、実際に農業法人で働く人はどのように考えているのでしょう。

 直近の目標は農場長になることです。私が師事した農場長は、みな熱い農業への思いを持って農場経営をしていました。その姿を見てきたので、私もそういう農場長になりたいと思っています。

将来は女性農場長として農業の魅力を伝え、次の世代の農業従事者の目標となれるようになりたいと思います。

イオンアグリ創造株式会社 イオン日高農場 小林舞さん

普通の会社にある辛い事は、共通してあると思います。この体を使う仕事特有の事といえば、入社してから慣れるまで体が付いてこないのは辛いです。

自分がしたい農業の具体的なビジョン(例えば、品質、生産量、栽培法など)を描いて、自分が採用試験を受けようとする会社と自分の抱いているビジョンが一致しているかどうかを吟味することが大切だと思います。

株式会社さかうえ 若手社員の声 榊原弘大さん

1年間は、上司、先輩の背中を見つめながら必死で農業技術を学ぼうと思っています。農作物の 6次産業化にも大変興味があるので、将来は薬効成分の高いショウガや機能性食品でもあるブルーベリーを栽培し、いずれは商品開発にもトライしてみたいですね。

farm+biz インタビュー 駄田井玲二さん

いずれも農業の経験を積むために、農業法人を就職先としてえらばれていますね。やはり共通しているのは農業への思い。それとしっかりと考えて農業の世界にとびこまれていて、働いている今もきっちりと自己分析。今後のことも見据えておられます。勢いや思いつきでないことがよく分かります。

やはりキツイのは体力面でしょうか。力仕事や長時間同じ作業をすることもあり、慣れないうちは辛そうですね。とはいえ、新しい環境に慣れるのに多少の時間がかかることは、どの業界も同じですのでこのあたりはご自身の身体と相談、といったところでしょうか。

農業法人への就職は、特別なことではない

ポイントをまとめると…

  • 農業法人は、農業をしている会社である
  • 農業法人は、経験より熱意を求めている(ちゃんと育てたいから)
  • 農業法人で働く人は、就職してからもちゃんと考えをもっている

いかがでしょうか。こうしてみると、一般企業へ就職を考えているケースと基本的には同じことではないでしょうか。

農家数が減少傾向にあり、担い手が減少し、耕作放棄地が増え続ける中、農業法人の数は増加しています(※農林水産省調べ)。大手企業の参入や、異業種からの参入も増え、昔ながらの個人農家が減少している反面、小規模でも法人化し、組織的に農業を営もうとしていることがみてとれます。

これから農業を志す方は、この状況をきっちり理解し、長く農業に携わるために、まず農業法人へ就職することを、選択肢のひとつとしてみてはいかがでしょうか。

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