「クールベジタブル」(以下:クルベジ)を知っていますか。クルベジは、環境にやさしいエコ農法で作られた野菜のこと。林業や農業で余った間伐材や放棄竹林の竹を燃やさず、炭(炭素の固まり)にして畑に戻すことで、大気中にムダなCO2を減らしつつ、おいしい野菜を育てます。

現在、クルベジに積極的に取り組んでいるのは、京都府亀岡市のほか、高知県れいほく地域など。特に高知県れいほく地域のクルベジは、高知大学の学生とのコラボで生まれた“萌え野菜”で認知度、上昇中。さっそく高知県での取り組みについて調べてみました♪

高知大学キャラ(なす・スナップエンドウ)

炭と微生物のコラボでおいしい野菜に!

「大豊町ってね、実は“限界集落”発祥の地なんですよ」。こう話すのは、クルベジの生産をリードする株式会社大豊ゆとりファームの吉村優二社長。 高知県のクルベジは、長岡郡大豊町の同社と地元の農家さんが一緒になって生産し、 高知大学の研究者や学生が生産、販売を手伝いながら町ぐるみでサポート。 人口減に悩む地域の再生と、地球温暖化改善に向けて、産官学がしっかりタッグを組んで、すすめています。

高知大学収穫風景2

 ▲高知大学の学生も、クルベジの栽培をお手伝い!

「 炭を使うとおいしくなる秘密は、炭の構造にあります。炭には無数のミクロの空洞があり、野菜の栽培を助ける有用微生物が棲みつくことで、質のいい野菜が育つんですよ」。 炭を作るとCO2が出るので、環境に悪いのでは─と思われそうですが、実は炭作りで燃えるのは植物に含まれる炭素の約50%だけ。植物をそのままにしていると、いずれは枯れて100%CO2に変わるので、炭にして地中に埋めた方が大気中のCO2を減らすことにつながるのだそう。 大豊のクルベジは、野菜本来の味がしっかり味わえ、濃くておいしいと評判。 「消毒などは極力行わず、有機農法に近い方法で栽培しています」と吉村さん。昨年は高知県四万十市で日本最高温度を更新するなど、暑い夏だったため、今年はビニールハウス内を冷やすための装置を設置し、排水対策を行うなど施設改修に力を入れました 「今年中にはネット販売も行うので楽しみに」。吉村さんの声にも力が入ります。

大学生のアイディアで生まれた“萌え野菜”

“萌え野菜”は、2010年、クルベジ農法に取り組んで1年経った頃、知名度アップとほかの野菜との差別化を図るため、高知大学の学生の発案で誕生。 クルベジをキャラクター化し、パッケージに使用したり、コスプレ衣装を使ったPR,も行われています。

高知大学コラボ考房集合写真

 ▲萌え野菜のコスチュームでクルベジをPR!

現在、なすびをイメージした綾咲紫乃(あやさきしの)、トマトをイメージした的間(まとま)りこほか、計6種が活躍中(笑)。2014年はレタスと白菜キャラが新登場しました。

キャラ(トマト・キュウリ)

新キャラクターは、全国からキャラクターを公募。学生が事前審査を行い、最終審査は大豊町の住民による投票で決まります。 学生たちの指導にあたる高知大学・大槻知史教授は、 「昨年は、ポーランドやアメリカ、台湾など海外からの応募もあり、クルベジが意外な形で海外にまで認知されていて驚きました」と嬉しそう。そして学生たちは、大豊町を『オタクの聖地』にするために(!?)、日々アイデアを出し合い、積極的に活動しています。

高知大学VEGEワゴン(YODOYA) (1)

 ▲クルベジは、VEGEワゴンで買えますよ~!

現在、高知大学の学生を中心にした団体「虹野菜工房」が、高知市内のドラッグストアなどで「VEGEワゴン」と名付けて定期的にクルベジの販売を行っています。 クルベジをもっと多くの人に知ってほしいと、今年の夏は、親子の収穫体験も学生主体で企画中です。 農家さんと学生と住民を巻き込んだ、新しい試みにバンザイ! 興味がある方は、ぜひ公式サイトもチェックしてみて。

取材・文/杉谷淳子

写真協力/高知大学

■公式サイト「大豊町クールベジタブル
■株式会社 大豊ゆとりファーム 高知県長岡郡大豊町黒石343-1
高知大学 虹野菜工房高知市曙町2-5-1

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