「建設」の時代から、「撤去」の時代に!?
ダムの光と影をうつしだす『ダムネーション』


こんにちは、farm+bizライターの築出です。 今回は、アメリカで2014年春に公開され、サウス・バイ・サウスウエスト映画祭などコアな映画祭で話題になった『ダムネーション』をご紹介します。本作はアメリカで造られつづけてきた「ダム」の価値を見直し、失った自然環境を取り戻すため、さまざまな活動を行う人々の姿に迫ったドキュメンタリーです。

本作は、老舗アウトドアメーカー「パタゴニア」(米)の創業者であるイヴォン・シュイナードが製作責任者を務めています。パタゴニアの提供のもと、日本でも11月22日渋谷アップリンクでの公開を皮切りに、全国主要都市で順次上映されます。

 

ダムネーション:素材1

■ストーリー
アメリカ本土でつくられた何万基ものダム。それらの多くは、川を変貌させ、魚を絶滅させ、それにもかかわらず期待される発電・灌漑・防水のいずれにおいても低い価値しか提供していない。むしろ維持に高い経済負担がかかっている。そんな負の側面ばかりのダムを「撤去」する選択が、アメリカでは現実になってきた。だが、「ダム撤去」が当たり前に語られるようになるまでには、「クレイジー」といわれながらも川の自由を求めつづけた人々の挑戦があった。
(『ダムネーション』プレス資料より抜粋)

 

ダムによる発展か、豊かな自然環境か
雄大な映像美にも注目

現在、アメリカでは大小含めダムが7万基以上稼動しています。しかし、川の流れをせき止めるダムは、周囲の自然の生態系を大きく変えてしまう危険性もあり、なかにはサケなど魚の姿が消えてしまった地域も。
本作は監督の一人ベン・ナイトがナレーションを務め、序盤はダムがアメリカ経済にもたらす利益と、その負の側面を描いてきます。

中盤からは、実際にダム撤去が進むワシントン州のエルワダム、グレンキャニオンダムに焦点をあて、地域住民、先住民、学者、活動家、ダム従業員、さまざまな立場の人間の想い、取り組みに迫っていきます。なぜダムを取り壊すのか、壊せば川は豊かな姿に戻るのか。最後まで目が離せません。

環境問題にスポットをあてたドキュメンタリーならではの映像にも注目です。美しい水中、森林、雄大な渓谷の様子に思わずうっとりしてしまうはず!

 

ダムネーション:素材3

 

私たちは何を未来に残すのか
ダムをめぐる人々の姿から、未来を考える

ダムをめぐるさまざまな市民の意見を描いているのも、本作の魅力です。
撤去によって雇用が失われることを心配するダム従業員は「税金を投じてダムを撤去したあとに何が変わるのか?」と疑問の声をあげる一方、ワシントン大学のデイヴィット・モンゴメリー教授は、生命力に溢れ食材としても栄養価が高いサケを例にあげ、「数百年後、我々の子孫にどんな資源を残していくのか」と問いかけます。

私たちが自然とともに生きていくには、どうすればよいのか。何を選べばいいのか。
『ダムネーション』は観た者に、考えるきっかけを与えてくれる優れたドキュメンタリーです。
ぜひご覧ください。

ダムネーション:素材4

 

2015年1月11日から市民上映会が解禁
あなたの街で『ダムネーション』を上映しませんか

『ダムネーション』の制作を支えたパタゴニア日本支社と、配給を行うユナイテッドピープルは、日本でも川の自由な流れが取り戻されるよう、一層アクションが起きていくことを願って、1 月 11 日(日)を「自由な川の日」として名付けました。それにともない、 1 月 11 日から本作の市民上映会が行えるようになりました。

1月11日開催の市民上映会にかぎっては、通常上映費用5万円(税別)のところ、特別料金の4万円(税別)で上映が可能に。この機会に『ダムネーション』をあなたの街によんでみましょう。

詳細・お申し込みは以下まで。
http://www.jinjin-movie.com/slow_cinema/

 

■『ダムネーション』
監督/ベン・ナイト、トラヴィス・ラメル
提供/パタゴニア 配給/ユナイテッドピープル
87分/アメリカ/英語/2014年

■上映スケジュール
東京:渋谷アップリンク 2014年11月22日(土)~
横浜:シネマ・ジャック&ベティ 2014年12月6日(土)〜
大阪 :シネ・リーブル梅田 2015年1月10日(土)〜
名古屋 :名古屋シネマテーク 2015年1月24日(土)〜
神戸:神戸アートビレッジセンター 2015年1月24日(土)〜
福岡:中洲大洋映画劇場 2015年1月17日(土)〜

■詳しい上映スケジュール、情報は『ダムネーション』公式HPまで。
http://damnationfilm.net/

■日本の川、ダムについて考えたい方はこちら
http://damnationfilm.net/take-action-3/

取材協力・写真提供/ユナイテッドピープル

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