農業で過疎の村を起死回生なるか

farm+bizスタッフ杉谷です。今回は、NHK土曜ドラマで1月31日から放送予定(全5回)の「限界集落株式会社」の原作本をご紹介。

そもそも限界集落とは、過疎の状態をさらに超え、65歳以上の人口比が50%以上の集落のこと。集落としての機能が滞り、消滅が危ぶまれるコミュニティのことを指します。「限界集落株式会社」は、そんな抜き差しならないタイトルをお題に抱えながらも、ユーモラスで 読後感がすがすがしい。地域活性、農業再生について先行きの見えない時代だからこそ、ぜひ知ってほしい作品です。

限界集落株式会社1

『限界集落株式会社』黒野伸一著 1600円+税(判型/P 4-6/384P) ㈱小学館 (写真は文庫サイズ 714円+税)

 

人生デコボコ、都会でどうも上手くいかない
寄せ集めのポンコツチームが大奮闘

ストーリーは、都心で育った元エリートサラリーマン・多岐川優が、会社に辞表をたたきつけ、IT企業を後にして父の故郷をぶらりと訪れるところからスタート。BMWで乗り付ける様子に村人は目をシロクロ…。
村は、町村合併に揺れ、唯一の産業である農業も担い手不足でどんどん耕作放棄地に。バスの路線が廃止になり、あったはずの郵便局が閉まり、小学校も廃校に。
「診察所も隣村にあったんだけど、潰れちまったなあ」。

こんな中でも村を離れようとしない人々の屈託のなさに、困惑と不思議な居心地の良さを感じて滞在し続ける多岐川。そんな中、どこか冴えない3人の若者たちが都会から農業研修のためにやってきて…。

一人ひとりの持ち味と結束力で威力は何倍にも

元エリートサラリーマンが、都会で培ったビジネスセンスと合理化の精神で、ないないづくしの限界集落を変革させていく様子がなんといっても痛快です。しかも率いるメンバーは、前科もの(?)の老人、引きこもり気味のフリーター、問題を抱えるホステス。一人ひとりの個性を活かして、村人を巻き込みながら起死回生に挑む姿がなんともユーモアたっぷり。ドラマでは主人公となる無骨な農業人・正登と、その娘・美穂が、生粋の農業人としての誇りを見せながら、一緒に村おこしに奮闘する様子にエールを贈りたくなります。

著者は黒野伸一さん。ドラマ化の話は、「限界集落株式会社」連載中から検討されていたのだとか。11月には待望の続編「脱限界集落株式会社」が出たばかり。この機会に合わせて2冊、一気に読破するのがおすすめですヨ。もちろんドラマも必見です。(384P)

■『限界集落株式会社』
1600円+税/小学館発行
2011年11月発売

■『脱 限界集落株式会社』
1600円+税/小学館発行
2014年11月発売

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主役は反町隆史さん NHK土曜ドラマ「限界集落株式会社」が
総合テレビで1月31日~スタート(全5回)

NHK「限界集落株式会社」

画像協力/NHK

ドラマでは、主役は正登役の反町隆史さんで、生粋の農業人を演じる予定。まわりを谷原章介さん、松岡茉優さん、井上和香さんで盛り上げながら、村の重鎮役に平泉成さん、長山藍子さんらベテラン勢が脇を固めるといった具合。原作とドラマでは主人公が違うので、私にとっては楽しみのひとつ。反町隆史さん演じる正登役に期待大! 村おこしが、はたして逆転満塁ホームランなるか。ぜひ見てみて。

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