全国にさきがけて、農と福祉の連携を推進する大阪府。1月30日(土)に、グランキューブ大阪(大阪市北区)で「ハートフルアグリ シンポジウムinおおさか」(主催/大阪府)が開催され、農と福祉がコラボする新しい農業のカタチについて話を聞いてきました。

ハートフルアグリ06

基調講演は、女優の菊池桃子さん。現在、戸板女子短期大学客員教授を務めています。

ソーシャルインクルージョンってなに?菊池桃子さんが自身の経験をもとに語る

オープニングでは、松井一郎大阪府知事があいさつ。障がい者雇用による農業について触れ、「誰もが生き生き働ける場を─と考えています。ここに集まった方々がハートフルアグリの応援団になって、農業×福祉の連携の力になってほしい」呼びかけました。

基調講演は女優であり、戸板女子短期大客員教授の菊池桃子さん。500人は入る会場はほぼ満席。菊池さんが話すテーマは、ソーシャルインクルージョンについて。ソーシャルインクルージョンとは、障がい者、貧困者、高齢者、女性、性的マイノリティの方、移民や少数民族の方など、全ての人々が社会の構成員として包み支え合う理念のこと。ノーマライゼーションの発展形とも言われる言葉です。実は菊池さんの長女は、生後7ヶ月の時に脳梗塞にかかり、手足に麻痺の後遺症が残ったのだそうです。以降、子どもの未来を考えて、働く人を取り巻く雇用政策について、最初は独学で、40歳になって大学院に入り学び直したのだとか。現在、子育てとタレント業を両立し、労働問題にも積極的に取り組んでいます。

菊池さんは、自身の家族について語りながら、「全ての人が排除されない社会を作るには、多くの人の協力と理解が必要です。シンポジウムの成功を祈ります」とエールを贈りました。

ハートフルアグリ 泉州アグリのスタッフ

株式会社泉州アグリ(大阪府泉佐野市)さん。おいしい野菜を携えて、出店していました。

大阪の新たな農業の形をみんなで考えよう
試食会やマルシェも登場し、大いに盛り上がりました

基調講演のあとは、実際に農に関わる事業を、障がい者雇用とともに展開する企業について紹介。もともとまとまった農地が少ない大阪府では、農地、農業の担い手が全国より速いスピードで減少していて課題は山積みです。先進事例としては、大阪府みどり公社や株式会社ダックス四国、株式会社八百鮮が登壇。広い農地のかわりに水耕栽培や植物工場を取り入れながら、障がいを持つ方に農業への門戸を積極的に開き、現在、大阪府の新たな農業の形を作っている様子などが紹介されました。またパネルディスカッションも行われました(パネリストは下記参照)。会場の隣には、マルシェも登場。大阪産の野菜販売や野菜を使ったジェラートの試食、手が疲れない果樹栽培用の装置の紹介など、ユニークなブースが並んでいましたよ。

会場のブースには、農機具メーカーによる出展も。こんないちご畑なら、農地が狭くても空間を使って、栽培できそうですね。

会場のブースには、新しク開発された栽培システムの例も。こんないちご畑なら、農地が狭くても空間を使って、栽培できそうですね。

 なちゅらのスタッフ

就労継続支援事業所「なちゅら」(大阪府高槻市)のスタッフ。

ハートフルアグリ03 なちゅらさん農産物

就労継続支援事業所「なちゅら」さんで作った農産物の加工品。

現在、大阪では、企業などが障がい者の雇用・就労を目的として参入する際の相談窓口として、ハートフルアグリサポートセンターを設置しています。農と福祉のネットワークづくりはまだまだこれからです。興味がある方はぜひ問い合わせください。
■パネリスト
大阪府立大学大学院教授 増田昇氏
ハートランド株式会社 代表取締役社長 黒田英彦氏
社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 スタッフ 藤井義久氏
一般財団法人大阪府みどり公社 理事長 齋藤康彦氏
株式会社阪急阪神百貨店 阪急うめだ本店マネージャー 竹林豊氏

■問い合わせ/TEL 06-6210-9589(ハートフルアグリサポートセンター