集落の機能が衰える3要素と解決のポイント

高齢化・小規模集落が抱える悩みは、一朝一夕にできたものではありません。暮らしやすい地域づくりに欠かせないこととは? 小規模・高齢化集落の代表例とされる高知県大豊町など、れいほく地域で地域活性に取り組む高知大学・梶先生に、解決の糸口についてお聞きしました。

高知県れいほく地域

集落の機能が衰えるには大きく分けて3つの要素があります。
それは「人・土地・つながり」の3つです。

■「人」
文字通り人口減少のことです。日本では、高度成長時代から、都会と地方との地域間格差が生まれました。田舎から仕事のチャンスが多い都会へと人口が流出。現在は、それに加えて死亡する人より生まれる人が少ないという人口の自然減が同時に起こっています。寿命は伸びましたが、社会の大きな変化で未婚率が上昇し出生率が大きく下がりました。
要因:人口流出 + 人口の自然減

■「土地」
人口減少により、農業、林業の担い手が不足しています。使われなくなってしまった農地(耕作放棄地)の増大や、所有していた人が亡くなると、そのまま放棄される土地が増えています。相続されなかった土地は、年数が経つと誰が所有者なのかわからず、行政も私有地なので管理のサポートすらできない状態になります。
要因:耕作放棄地の増大、所有者不明の土地が増えている

■「つながり」
人口減少すると、これまで共同で行ってきた鳥獣害被害の対策や水路の清掃、草刈など公道の整備など、集落内で維持してきた生活機能の自治管理が行き届かなくなるとともに、人口減少による集落内の住民同士の協力関係やコミュニケーションがどんどん弱まっていきます。
要因:ムラの動力がなくなる

高知大学 八畝地区活動1

ココが解決のポイント

積極的に行いたいことの1つは、集落の外部との連携を増やしていくことです。国の支援を受けるのはもちろんですが、大学や企業と連携をとったり、地方や田舎暮らしにに興味のある団体に声を掛けるのも良いでしょう。

▼ポイントは以下の3つ

・集落の魅力を再発掘
地元の人間にはもはや当たり前過ぎて見えない宝物がいっぱい。おいしい農産物はもちろん、伝統的な産業や祭り。これらを集落外の人と一緒になって見つけていくのも一考です。

・ネットワークをつくる
支援金がいっぱいもらえるからといって、都会から移住者はやってきません。美しい田舎の風景やそこでの生活スタイルへの魅了だけではなく、多くの移住者が「人とのつながり」がキメ手となって、田舎に住まいを移しています。ここは重要です。

・誇りをもとう
集落の機能が衰えていく過程での住民の間のあきらめ感は、地域の動力が落ちていく大きな要因となります。そうならないためには、住民共有の地域の魅力をあらためて知り、誇りを持つことが大切だと感じています。「誇り」は集落の元気につながります。

 大学や地域の団体も巻き込んで、地域活性を

高知大学では地域との連携事業を積極的に展開しています。日本で初めに小規模・高齢化集落の代表例とされた高知県長岡郡大豊町にて、現在、農学部の学生と研究者が中心となり、八畝(ようね)地区の耕作放棄地の開墾に取り組んでいます。地元で400年前から栽培されている幻のとうもろこし「地キビ」の栽培拡大や集落の方々との交流、地キビを原材料とした焼酎の商品開発など。興味のある方は、ぜひ大学へお問い合わせください。

高知大学八畝地区活動2

高知県長岡郡大豊町で行われている高知大学の地域連携事業の取り組み。農学部の学生と研究者が中心となって、積極的な活動を行っています。

八畝(ようね)地区400年前から栽培されているといわれる幻のとうもろこし、「地キビ」。

八畝(ようね)地区で400年前から栽培されているといわれる幻のとうもろこし「地キビ」。

取材・協力

高知大学 地域連携推進センター
地域コーディネーター、特任助教 梶 英樹さん
TEL 088-844-8555
http://www.ckkc.kochi-u.ac.jp/

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