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官民学が連携して運営する「SEADS(シーズ)」、
新たな農業学校へのチャレンジがはじまります!

市立農業経営者育成学校「SEADS」が開校する鶴岡市(山形県)は、日本有数の稲作地帯。多彩な農作物も栽培され、環境保全型の農業も盛んに行われています。2014年には日本で唯一の「ユネスコ食文化創造都市」に認定された農業王国です。

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豊かな田園風景が広がる鶴岡市。日本で唯一の「ユネスコ食文化創造都市」に認定。

そんな鶴岡市でも、頭を悩ませてきたのが、農業の担い手不足。これまでも様々な新規就農支援に取り組んできました。
「しかし、農業の担い手を増やすには新たな取り組みが必要―」。開校にあたり、農業経営者育成学校「SEADS」のプロモーションを担当する田中さんに、立ち上げのきっかけから、お話をお聞きすることができました。

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農業を基礎から学び、就農に向けた準備、安定した経営まで地域でサポート

「『SEADS』は、とにかく今までにない農業人材育成の仕組みです。この学校は、行政だけではなく、JA、地域の企業、そして大学と産学官民が力を合わせて、就農希望者をサポート。農業を基礎から学び、就農に向けた準備、安定した経営にたどりつくまで、関係機関が連携してワンストップで支援していきます。

しかも第一期生は入学金ゼロ、授業料は月額1万円。市が用意する研修施設および家賃無料の宿舎で滞在しながら、2年かけて栽培技術と農業経営に必要な知識を座学と実践研修で学ぶことができます」。

「SEADS」の研修施設および宿舎は、旧「いこいの村庄内」
地域に愛された施設を地元の大学がリノベーション

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もと「いこいの村荘内」が、研修棟および宿舎に

それと同時に、鶴岡市では、地域の方に惜しまれながらも閉館した「いこいの村 庄内」の再活用に頭を悩ませていました。「SEADS」の拠点となる研修施設および宿舎は、旧「いこいの村 庄内」。1977(昭和52)年7月に開設。ピーク時の1995年度には、年間2万7500人の宿泊利用があったほか、「結婚式をここであげた」「夏休みは毎年家族で泊まった」という地元客6割、県内を入れると7割と地域に親しまれてきた施設でした。

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開放的な研修室

「『いこいの村 庄内』は、2016年10月に閉館してから、そのままになっており、所有者である県からの打診を受け、市でもどのように活用するのか思案していました。鶴岡市民に愛されてきた施設だっただけに、できれば地域主導で活かすことはできないかと熟慮したすえ、農業の担い手不足の課題と合わせて活用しようとなったんです」。

キッチン

快適なキッチンもあり、共同生活するのも楽しそう

リノベーションを手掛けるのは、東北芸術工科大学。『東北ルネサンス』をスローガンに、地域社会と共生し、芸術とデザインの力で、様々な課題を解決できる人材を育成することを目標に掲げるユニークな大学で、全国的にも人気のある芸術大学です。

吹き抜けの広いロビー、落ち着いた研修ルーム、清潔なダイニングキッチンと、快適な研修生活がそこに待っているはず。

「SEADS」だからこそ、地域一丸となって正解をつくっていく

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SEADS_調印式の様子

研修生の募集も8月からスタートし、田中さんにこれまでを振り返りながら、今後の取り組みについてお聞きしたところ、「産学官民が連携しての初の就農支援&学校設立という取り組みとなるので、前例がなく、正解がわからない中で、新しい仕組みをつくっていくのは大変です。」と振り返ります。

SEADS 募集開始

しかし、 “この地域で稼げる農業の担い手を育てていく”という熱い想いは一緒。そこが強みとなると田中さん。

例えば、研修生が就農時に借りる農地。一般の人が農業を志す場合、農地を借りるだけでもいくつもの公的な許可と手続きが必要になります。農地は他の土地とは異なり、農地法により、勝手に売買や譲渡ができない仕組みになっています。土地の確保。これが新規就農者にまず立ちふさがる壁となります。

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地域一丸で研修生を支える。農地探しもしっかり相談にのってくれます。

『SEADS』では、農地探しはもとより就農に向けた準備も行政・JA・大学・民間企業がそれぞれの得意分野を活かしてサポート。農地探し以外でも、中古の農業機械の紹介や販路の確保など、産学官民が連携しているからこそ、よりスムーズに農業をスタートしやすくなると話します。また資金の調達も、JAの融資や市の助成金、補助金の手続きについてしっかりフォロー。

鶴岡市の未来の農業を、盛り上げていきたいからこそ、就農に向けた準備も研修生本人任せにせず、地域の関係者みんなで農業人材育成の正解をつくっていくそうです。

将来は「SEADS」を、日本を代表する農業経営者育成学校に

「将来はSEADSを、日本を代表する農業経営者学校にしたい」と話す田中さん。「有機農業を学ぶなら、鶴岡」「農業で稼ぐなら、鶴岡」だといわれるような学校づくり、仕組みづくりをめざしていくそうです。

もともと鶴岡市はお米を主体にした有機農業による栽培に取り組

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鶴岡市はお米を主体にした有機農業の先進的な生産者がいる地域です

む、先進的な生産者がいる地域。また鶴岡市は全国の自治体で2つしかない有機農産物登録認定機関の一つになっています。そもそも有機(オーガニック)商品は、JAS法(日本農林規格等に関する法律)に基づき、認定機関で定められた商品にしか、「有機」や「オーガニック」と表示できない仕組みになっています。認定機関の多くは、各都道府県に設置されるほか、民間企業もありますが、市町村として認定機関になっている例は全国でもめずらしいといえます。

農業初心者、大歓迎!「SEADS」の仲間になろう

農業の知識がない方もOK。年齢も原則として50歳未満で就農できる方ならOK。基礎の基礎から教えますとのこと。
「トラクターのエンジンのかけ方や、どうやって運転するの?」など、基礎の基礎から実践レベルでお伝えしていきますよと田中さん。「農業を志したい」「有機農業で稼いでいきたい」「オーガニック商品を作りたい」という方はぜひ。気になる方はお問い合わせ&エントリーを!

【鶴岡市立農業経営者育成学校「SEADS(シーズ)」募集要項】
住所/山形県鶴岡市千安京田龍花山1−1
研修期間/2年間 2020年4月~2022年3月
研修内容/座学、栽培実践、農家インターン
募集人員/10名程度

■応募資格
・農業(独立就農)に対する意欲があり、原則として50歳未満で就農すること
・農業次世代人材投資資金(準備型)の初回支給までの生活費や授業料などを賄う預貯金がある、または家族からの支援が得られること
・研修終了後5年以上鶴岡市に住み就農する意思があること
・研修中及び就農後、地域の行事に参加し、地域住民と協調できる人物であること
・普通運転免許証を有すること
など

■費用
入学金/無料
授業料/月額:1万円
※ただし親元就農や既就農者で座学研修のみ受講希望の場合は月額5,000円
宿舎使用料/月額1万円
※水道光熱費として

■支援
農業次世代人材投資資金(準備型)/年150万円
農業インターンによる収入も可能

■お問い合わせ
https://info.yamagata-design.com/l/510061/2019-08-01/35j2w8

■申し込み
・随時受け付けます

■2020年以降も2次募集あり!説明会が開催されます
12月1日(日)山形県UターンIターンフェア@東京交通会館12階
1月25日 (土)新・農業人フェア @池袋サンシャインシティ(東京池袋)
1月26日 (日)個別相談会 @東京都内を予定

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